FXと政策金利
先週3日月曜日は米国・カナダ市場が休場の関係で、動意の乏しい展開となりドル/円は115.65-116.09円の狭いレンジで推移、クロス円も落ち着いた相場となりました。朝方、英サンデータイムズ紙で今週の英国金融政策委員会(MPC)で政策金利が据え置かれると報じられ、ポンド/円が233.00円まで軟化するも、全体的にこう着感が強く下げ幅は限定的。一方豪ドル/円が強い7月住宅建設許可を受けて強含みで推移、95円半ばまでじりじりと上昇。ドル/円は午後に入って116.09円の同日高値をつけるも、その後は伸び悩み115円後半でもみ合いに。NY時間も落ち着いた値動きが続き、欧州株は小幅にプラス圏で取引を終了。ドル/円は115.95円、ユーロ/円は157.97円で取引を終了しました。 FX取引、FX初心者、くりっく365、FX口座開設、FX資料請求  4日火曜日午前は動意の乏しい展開ながら、クロス円中心にやや売り優勢で進行。ユーロ/円が157.51円と前日安値に迫る場面がありましたが、薄商いから下押しは限定的で市場はこう着状況へ。一方豪ドル/円は第2四半期GDPが前期比+0.9%と予想の+0.5%を上回ったことを受け、前日高値を抜けて95.60円台まで上昇。さらに午後に入ってハワード豪首相が「今回の豪GDPの伸び率は驚くべき良い水準」と述べると、豪ドル/円が95.85円まで高値を更新しました。しかし夕方、欧州株や時間外ダウ先物が100円以上安く引けた日経の軟調な地合いを受けて反落して始まり、その後サブプライム絡みで欧州金融機関に損失が出たとのウワサが流れるとドル/円・クロス円が急速に下げ幅を拡大。ドル/円は今週始めからのレンジを下抜けして115.31円まで下落。ユーロ/円も3営業日ぶりに157円割れを起こし同日安値を156.52円まで更新。また堅調だった豪ドル/円も一時95円を割り込み、午前からの上昇幅を相殺する展開に。NY入り、売りが一巡すると下げ渋る展開となり、注目された米ISM製造業景況指数が52.9と市場予想とほぼ同じ結果となると、市場ではドル/円・クロス円のショートカバーが加速。116円台を回復したドル/円はその後116.42円まで上昇し、ユーロ/円も安値から1.80円以上反発、158.39円の同日高値を示現。NY中盤以降もダウの堅調さに支えられドル/円・クロス円は高値圏で推移しました。 FX  5日水曜日は朝方までクロス円主導の買いが継続し、ユーロ/円が158.65円まで上昇、豪ドル/円は96.43円をつけ7営業日ぶりに高値を更新。また豪州準備銀行(RBA)は金融不安に揺れる現状を考慮する形で、政策金利を6.50%に据え置くことを決定。しかし円売り一服するとその後軟調な値動きとなり、日経や時間外ダウ先物が下げ幅を拡大し、ロシア系投機筋の売りもあって午後にかけて急速に円買いが進行。ユーロ/円は157円前後で下げ渋るも、豪ドル/円は夕方からのオセアニア通貨売りに押されて前日安値を抜けて94.64円まで下値を拡大。しかしこの日も売り一巡後はショートカバーが優勢となり、ユーロ/円が157円半ばまで回復、下値追いはいったん収束へ。しかしNY入りに発表された米8月ADP全国雇用者数が市場予想の+8.0万人に対し3.8万人と予想を大きく下回ると、週末の米雇用統計の悪化を懸念して市場ではドル売りが先行、ドル/円は一時115.40円まで下落。その後欧州中央銀行(ECB)が「短期金融市場を注意深く監視する」「ボラティリティ(変動率)が高止まりならECBは行動する」との声明を受けて若干買い戻されるものの、中古住宅販売保留が6年ぶりの低水準に落ち込んだことを受けダウが下げ幅を100ドル以上広げると、ドル/円は115.00円まで一気に下値を拡大。ドル全面安の展開に対して、ユーロ/円などクロス円は底堅い値動きとなりましたが、NZドルは対ドルでも弱含みの展開が続き、NZドル/円は5営業日ぶりに79円割れを示現。なおカナダ銀行(BOC)は市場の予想通り政策金利の据え置きを決定。サブプライム問題が深刻化する以前は今月9月の利上げが確実視されていましたが、先月の混乱を受けて利上げを見送る形になりました。一方で今後の金融政策については特に言及せず、現状の金利水準を「適切」と表明しています。NY中盤以降、ドル/円は軟調なダウにつれて上値の重い展開が続き、12地区連銀報告書(ベージュブック)で「住宅市場の縮小」「金融市場の混乱受け、住宅ローン融資基準が厳正化」などの内容からダウが下げ幅を拡大。ドル/円は115円前半で上値の重い推移となりました。 FX  6日木曜日午前は朝方から一時円買いが加速する場面がありましたが、ドル/円は6営業日ぶりの安値114.98円をつけて反発、正午にかけて115.55円まで戻す展開となりました。また豪ドル/円が8月新規雇用者数の大幅な増加を受けて、94.02円の本日安値から急反発し95円台を回復。その他のクロス円も軒並み安値から切り返す動きとなりました。昼過ぎに上昇が一段落すると材料薄からもみ合いとなるも、一時300円以上下げていた日経が引けにかけてプラス圏へ反発し、続いて欧州株も堅調に始まりクロス円が再び強含みに。また欧州中央銀行(ECB)が夕方に420億ユーロの臨時資金供給オペを実施し市場の信用縮小懸念が後退、ユーロ/円は157.81円まで高値を更新。特にオセアニア通貨買いが目立ち、豪ドル/円が95.47円まで同日高値を更新した他、朝方78.49円の安値をつけていたNZドル/円も一時80円台まで急反発しました。しかしロンドン時間に入って、中国人民銀行(PBOC)が預金準備率の引き上げを決定すると、欧州株および時間外ダウ先物が下落に転じ市場では円買いが急速に進行。ユーロ/円が157円前後まで反落、豪ドル/円も高値から1円近く下落し、ドル/円は一時115円割れへ。ポンド/円もイングランド銀行(BOE)が政策金利を5.75%に据え置くと232円割れ水準まで急落。BOEに続いて欧州中央銀行(ECB)も市場の予想通り金利を4.00%に据え置き、トリシェECB総裁が続いて開かれた会見で「(インフレを)注意深く監視する」と述べ10月の利上げを見送る公算を示しましたが、ユーロ/円への影響は限定的でした。逆に米第2四半期非農業部門労働生産性や8月ISM非製造業景況指数が予想を上回る結果を示し、ドル/円が115円割れ水準から反発。その後トリシェ総裁が「金融政策は依然、緩和気味」で「市場の混乱で不透明感が増したが、安定的な物価がより重要」と発言し、インフレ警戒のスタンスを継続したことから、ユーロも買い戻しが優勢となりユーロ/円は158円台を一時回復。NY中盤以降、ダウがNY連銀の資金供給などを好感して前日比プラス圏で推移し、安値水準から反発後クロス円は堅調な展開。対円以外でドル弱含みとなるも、ドル/円はクロス円の上昇に支えられ115円前半で底堅い推移となりました。FX  7日金曜日は朝方までクロス円強含みの流れが続きましたが、NY時間の米雇用統計を控えて東京市場に入るとポジション調整売りが優勢となり、ドル/円・クロス円が高値から反落。午後に入って日経が下げ幅を広げるとドル/円が115円割れを起こした他、ユーロ/円が高値から1円以上下落して156.08円の安値を示現。ポンド/円も232円を割り込み231.71円まで下値を拡大しました。夕方トリシェECB総裁が先日に続いて政策金利が緩和的とし、インフレを警戒する見方を示すと市場で欧州通貨の買い戻しが強まり、ユーロ/円・ポンド/円が安値から反発。しかしドル/円やその他のクロス円は依然として上値の重い展開が続き、ドル/円は115.20円台で推移。一方加ドル/円はロンドン時間、カナダ8月新規雇用者数の予想以上の増加を受けて109.88円まで上昇。しかしNY入りに流れが一変、注目された米8月非農業部門雇用者数が市場予想の+10万人に対し、-0.4万人と予想外の減少を示し、また過去二か月分も大幅に下方修正されたことから、ドルが主要通貨に対して急落。ドル/円は114円台へ下落、その後ダウが反落して始まるとさらに下げ幅を拡大し、8月29日以来の114円割れへ。リスク資産回避の動きを受け、ユーロ/円が156円を割り込むなどクロス円も大幅反落。ポールソン米財務長官が「米雇用統計の減少は総合的に見て、まったく驚くものではなかった」と発言、米景気について強気な発言をするもドル/円はその後も下げ幅を拡大し、8月17日以来の安値113.11円を示現しました。しかしNY中盤以降は下値での買いに支えられ安値圏で底堅い値動きとなり、ドル/円は前週比2.38円安の113.39円で取引を終了しました。先週末発表された米8月非農業部門雇用者数(NFP)は、2003年8月以来4年ぶりの減少を示し直後にドルが急落。さらにダウの下落を受けてリスク資産回避の動きが強まり全面円高の展開となりました。NFPの悪化を受けて米景気減速懸念が急速に浮上しており、金融不安による混乱が収束しつつあるなか、米景気の下振れリスクが金融市場にとって今後大きな不安要因になりそうです。金融市場が混乱の最中にあった「8月」分の米経済指標は、金融不安が米経済へ与えた影響を探る上で、市場で特に材料視されると見られ、週末発表の米8月小売売上高に注意したい。また9月に集中する金融機関を中心とした企業決算にも注目が集まっており、金融機関の損失決算の報道による突発的な変動に警戒が必要です。FX  市場では来週18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25-0.50%の利下げがすでに織り込まれており、市場では利下げの有無よりも政策金利の下げ幅や米景気動向に関心が集まっています。また今後の米指標が大きく下振れを示した場合など、FOMC前の緊急利下げ観測が急速に強まる可能性も依然としてあるため、米金融政策をめぐる市場の思惑の変化に注意しておきたい。  今週のイベントで注目されるのが11日火曜日24:00に開かれる「世界の不均衡、最近の状況と見通し」と題するバーナンキFRB議長講演で、予想外の低水準を示したNFPに対し、FRBがどのような見解を示すかに焦点が集まります。またFRBと同様据え置きが見込まれているものの来週に政策金利発表を控える日銀にとって、最後の注目材料となる7月機械受注(前月は3ヶ月ぶりの減少)にも注目したい。